
「知識を捨ててしまえ!」はちょっと言いすぎました(笑)
補足すると、この場合の知識というのは、ネットで調べられる程度の知識、誰かから伝え聞いた知識、みんなが当たり前に共有している知識ということです。
知識が逆に自分の世界を狭めてしまっていることに気付かなければいけません。
知識に価値がなくなった
インターネットがなかったころ、「知識」というのは絶大な価値を持っていました。
- 農作物を育てる知識
- 家を建てる知識
- 料理を作る知識
- 病気を治す知識
など、物事を円滑に進めるための知識、つまりノウハウを持っている人間に価値があり、職業として成立していました。
例えば20年前くらい「WEBデザイナー」という職業は花形職業でした。
WEBサイトを作るためのHTMLやCSS、JavaScriptなどの知識が必要で、そのノウハウはまだ一部の専門家だけが持っていたものでした。
インターネットが出始めたころ、企業はこぞって「ホームページ(WEBサイト)」を作成するためにWEBデザイナーに発注したものです。
その頃は1つのWEBサイトでも数十万円~数百万の制作費を取っていました。それだけ市場から必要とされていたわけです。
その頃、ほかにもパソコンが故障したときに、専門家を派遣するようなサービスも多く存在しました。
これもパソコンの知識を持っているということが、一つのスキルとなり得たからです。
もちろん今でもWEBデザイナーやパソコンの修理業者のような職業は存在していますが、昔のように高い料金を請求できなくなっていますし、専門の職業として成立しにくくなっています。
その理由は、当たり前ですがインターネットで「知識」を検索できるようになったからです。
もちろんWEBデザイナーでも、複雑なコードを書いてダイナミックな演出をWEBサイト上で表現できる人は今でも活躍しています。パソコン修理も技術が必要な「物理的な修理」ができる人は、それなりに需要があります。
しかし、多くの人が満足できる「普通の知識」であれば、インターネットで検索することで、いくつもの答えを見つけることが可能です。
現在では、WEBサイトくらい素人が簡単に作れますし、パソコンだって組み立てることが可能なわけです。
つまり、こういった専門的な知識「だけ」を持つ人間の価値というのは、「限りなくゼロに近づいている」と言えるでしょう。
それが「知識の価値がなくなった」正体です。
質問力が問われている
「知識の価値がなくなった」今、逆に価値が高まっているのが「質問力」です。
どういうことかというと、知識がネット上に集合知として集積されているのであれば、正しい知識を取り出すためのキーワードを検索エンジンに入力しなければいけません。
キーワードを入力する、つまり「どんな質問を投げかけるのか」の価値が高まっているのです。
少しわかりにくいので逆に「昔は質問に価値がなかった」と考えてみましょう。
インターネットが無い時代には、質問をしても「知識が無ければ回答が無い」し、答えがあっても「一辺倒の答え」だけだったのです。
つまり、「無回答」か「偏った知識」しか得られなかったということです。
もちろん、専門家がたまたま近くにいれば正解をもらえるかもしれませんが、すべての専門家が近くにいるということはないでしょう。
インターネットがあれば、「的確な質問(検索)」をすれば、いくつもの回答パターンが得られ、その中から自分に合ったものを選択できるのです。
だから、「質問力に価値がある」というわけです。
質問力が人を成長させる
「私はネットでたくさんの情報を得られてるから大丈夫」
本当にそうでしょうか?
子供の成長というのは、大人よりスピードが早いですが、これは質問力がなせることです。
子供は「あれは何だろう?」「これは何?」「どうしてそうなるの?」など、時に親を困らせるほど質問をしますよね。
その答えを知れば知るほど、子供は成長していきます。
しかし、大人はどうでしょうか。
ネットで検索するときに「自分が知らないこと(知識のないこと)」を検索(質問)しますよね。
逆を言えば「すでに知識があることは質問をしない」と言えます。
その「すでに持っている知識」って本当に正しいのでしょうか?
今の時代に合っている知識なのでしょうか?
誰かの偏った知識ではないですか?
知識を頭の中で固定化してしまうと、それが固定概念となり頭の固い人間になってしまいます。
それは思考停止を生み、自己の成長を阻害してしまうのです。
「価値のある質問力」とは、今ある古い知識や常識を疑い、疑問を持つということなのです。
例えば「ブログで食えるわけがない」と多くの人が固定概念、常識として、まだまだそう思っている人が多いでしょう。
しかし、それをネットに質問として投げかけると
「ブログで食えるのだろうか?」(質問)
→「食えてる人はいる」(答え)
「ブログでどれくらい稼げる?」(質問)
→「0円から数千万円までいろいろ」(答え)
「ブログで稼ぐ方法は?」(質問)
→「アフィリエイトやクリック広告」(答え)
など、ネットに質問を投げかければいくつか答えが見つかります。
そのうえで、「ブログで3万円くらいなら稼げるかもしれない」「時間的にブログで稼ぐのは効率的ではない」など、より合理的、具体的な自分なりの答えを導き出せます。
この例で言えば、質問(検索)をすることで、ブログに対する新しい知識をアップデートし、自分はどうすればいいのかという思考も促されているのです。
これはブログに限らず、あなたの身近にあるもの、毎日当たり前に行っていること、同僚がやっていること、会社が推進していること、上司が言っていること、部下がこぼす愚痴、政府が進める方策など、全てに対して疑問を持ってみましょう。
そして質問してみてください。
それがあなたの仕事、ひいては人生をより良くする上で役に立つに違いありません。

こんにちは、ブログランキングからきました。
価値ある質問力は大事なことですね。
勉強になりました。
また拝見させていただきます。